大晦日の大宮駅

故郷のミカン

8番線のベンチ。
電車を待ちながら、小説を開いていました。

ここから高崎へ向かう電車は本数が少なく、
待ち時間で小説を6ページほど進めることができました。

ようやく電車が到着。
乗り込むと予想外の混雑ぶりで、空席は一つもありません。

仕方なく座るのを諦め、運転席近くの壁に寄りかかりました。
再び小説のページをめくります。

30分も経つと、車窓には田んぼや畑が次々と流れていきます。
懐かしい風景に、育った田舎が近づいているのを実感しました。

今は家族や親戚と過ごす時間を楽しみにしていられますが、
昔からそうだったわけではありません。

「顔なんか見たくもない」
そう思っていた時期も、他の人と同じようにあったものです。

ギクシャクする人間関係。
それは家族や親戚に限った話ではなく、
職場、友人、恋人――誰もがどこかで経験するものでしょう。

「後から入ってきたくせに、なんだか鼻につく」
「新しい上司、妙に圧を感じる」
「今の彼、もしかして相性が悪いのかも」等々

そんなモヤモヤした感情を抱えた関係も、
時間の経過とともに自然と滑らかになることがあります。

でも、
人間関係の根本に深刻な問題がある場合、
自然治癒だけではどうにもならないこともあります。
そんなときには、特効薬のようなものが必要です。

私が手にしていた小説は、
誰かにとってその「クスリ」になるかもしれません。

もちろん、すべての人に効くわけではありませんが、
関係をリカバリーするヒントにはなり得るでしょう。

作品に登場する5人が、
どのように人間関係をチューニングしていくのか――
それがこの小説の見どころです。

そら

追記
実家に着くなり、親の小言が炸裂。
もう一度、小説を読み返したくなってきました ^^;

#リカバリー・カバヒコ
#青山美智子

リカバリー・カバヒコ/青山美智子